旺旺中時グループ、台湾メディア独占にまた一歩

今年の7月に台湾第二のケーブルTVを買収して騒ぎになった旺旺中時グループが、あれから3か月も経たない今、今度は(香港の)壹傳媒有限公司Next Mediaが台湾で経営している蘋果日報Apple Dailyなど四つのメディアの買収を進めている。買収が終わった時点で、旺旺中時は台湾の新聞の50%のシェアを握ることになる。馬英九政権は、この買収に待ったをかけるべきだという民進党などの抗議を棄却した。7月にも大きな反対運動を展開した学生グループは、無論、猛烈に反発。
あろうことか、台湾教育部は反対運動の中心になった学生たちの名簿を作成し、学生たちが属している各大学に注意を喚起するe-mailを送りつけた。大学はもっと学生たちの健全な育成に努力してください…反対運動に参加した学生たちについては各大学がよく調査するように…云々。
これがまた学生たちの反発を(当然ながら)生んだ。馬政権に対立する民進党議員たちは、学生代表、陳為廷を、立法院の教育文化委員会の特別会合に呼んで言論の自由などについて学生たちの主張を聞くことになった。陳為廷(清華大学)は、開口一番、会合に出席していた教育部長、蔣偉寧に向かって「あなたは嘘つきの偽善者だ」と述べた。蔣偉寧は学生たちの運動を支持するようなことを言いながら、裏ではブラックリストを作成して大学に送りつけたのだから、当然の批判だった。この発言が旺旺中時グループのメディアで「なんと失礼な態度か」と大きく叩かれた。国民党議員たちもこぞってこのバッシングに油を注いだ。TVで流された陳為廷の(教育部長に対する)言動はほんの数秒。発言の別の個所を見れば、陳為廷の態度が相手を馬鹿にする不遜な態度ではなかったことはあきらかだ、と会議に参加していた人は言う。
騒ぎは、あきらかに旺旺中時グループによる新聞独占問題から目をそらさせようとする旺旺と一部国民党議員のもくろみ通り、あらぬ方向に発展しようとしている。恐ろしいのはまさにこういうことなのだ―旺旺中時グループがすでにメディアの30%から40%を傘下に収めているために、反旺旺の運動を貶めたり問題を捻じ曲げたりすることが思いのままにできてしまう。

台湾の学生運動は84年の原住民権利促進委員会の結成も促した。民主化運動の中で無視できない役割を果たしてきた。日本や南コリアと違って、大きな挫折経験もなく、汚名化されてもきていない。しかし、それがゆえに、主流社会への対抗意識も薄い。叩かれること、汚名化されることによって、したたかな対抗力をつけていくことができるだろうか。わくわくする。(村山さたね)

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