アメリカ合衆国、法を曲げて日本のプルトニウム蓄積を援助①
2012年4月9日 National Security News Service(NSNS)の記事、United States Circumvented Laws to Help Japan Accumulate Tons of Plutoniumを、今、金曜日の「英語で読むかい」で読んでいます。ネットにも、この記事の全訳はないので、毎回読んだところまで(連載で)みんなで考えた訳を掲載していこうと思います。今回はその第一回です。原文はこちら。
アメリカ合衆国政府は、その最も秘密とする核兵器施設に日本が出入りすることをあえて許可し、アメリカ合衆国民の血税何百億ドルにも相当する研究が日本にもっていかれた、日本はこの研究成果によって、1980年代から核兵器に転用可能なプルトニウム70トンを生産、蓄積していることがNSNSの調査でわかった。こうした行為は機微核物質の取り扱いを定めた合衆国の法律に違反している。日本はこうした機微核物質を核兵器開発プログラムに容易に転用することができる。CIAのリポートによれば、アメリカ合衆国政府は日本が秘密裏に核兵器開発プログラムに手を染めていることを1960年代から知っていたという。
合衆国の機密技術の流出はレーガン政権下で中国への100億ドルの原子炉売却後に始まった。日本は、アメリカの機微核技術が潜在的敵国である中国に売られることに抗議した。レーガンとジョージ・H.W. ブッシュ両政権は、それを禁じる法や条約を無視して、日本に機微核技術を移転することを許可した。米エネルギー局のSavannah River Site、およびHanford nuclear weapons complexがもつ、プルトニウム隔離に関する非常に機密とされている技術が、何百億という税金を注ぎ込んでなされた増殖炉研究の成果とともに、それらが拡散しないという保証がほとんど何もない中、日本に手渡されたのだ。この技術移転の一環として、日本人研究者や技術者がHanfordにもSavannah Riverにも出入りを許された。
日本は核兵器生産を自粛してアメリカ合衆国の核の傘の下にいるが、NSNSの調査で、日本が電気会社を隠れ蓑にして中国、インド、そしてパキスタンのそれを合わせたよりも大きな核兵器工場を作るに充分な核物質を溜め込んでいることが分かった。
アメリカ合衆国がこのように故意に核拡散を行ったことは、例えばイランのような国から「核保有国は口では拡散防止条約だの国際法上の義務とか言いながら、裏では核拡散をやっている」といった非難に油を注ぐことになる。ロシア、フランス、英国、そしてアメリカ合衆国は、自分達の政府所有あるいは政府の補助金を受けた武器製造会社に支援させて世界中に民間の原子力産業を作りだしてきた。日本と同じように、イスラエルもこうした恩恵を受け、日本と同じように1960年代から核兵器の製造能力を持っている。
一年前、日本の東北地方を襲った人災+自然災害によって、3千万人が暮らす東京は人が住めない場所になるところだった。核による悲劇は日本の近代史上のやっかいな問題だ。核兵器による攻撃を受けたのは世界中で日本だけだ。2011年3月、津波が海岸を襲った後、福島原発の水素爆発とそれに続く三つの原子炉のメルトダウンは、地域全体に放射線を撒き散らした。広島と長崎に投下された原爆でもそうだったが、日本は再び何世代にもわたる被爆という現実に直面することになった。原発から12マイルの地域は人が住めないuninhabitableと考えられている。そこは国家的な犠牲地区national sacrifice zoneなのだ。NSNSでは、日本がどのようにしてこうした核の悪夢に向かってひた走ってきたのかを1991年から調べてきた。【1991年から調査してきたのは原爆を経験した日本がどのようにして原子力を受け入れ発展させてきたか、だ…訳者注】われわれは日本が原子力プログラムを二つの目的で使ってきたことを発見した。公開されているのは国家に無尽蔵のエネルギーを提供するという目的だ。しかし、もう一つ、機密にされてきた目的があり、それは核兵器開発だ。充分な核物質と核技術を蓄積し、その気になりさえすればいつでも短期間に核大国になることができることが目指されてきた。
この秘密の目的の下に、2011年3月11日―あの地震と津波が福島第一原発を襲った日だが―現在で、日本は70トンものプルトニウムを蓄積した。秘密の核爆弾プログラムを民間の原子力開発という隠れ蓑の下に隠したように、日本は平和的な宇宙開発という名目の下に、洗練されたミサイル開発を隠してきた。
日本の政治リーダーたちは、日本の人々に生活の中に原子力を受け入れさせるためには、原子力がどのような軍事目的とも無縁だと嘘をつくしかないということを理解していた。実際、歴代政権も、産業界もこのことを隠し通してきた。歴代政府は、他意のないエネルギー開発、民間の宇宙開発という名目で、核兵器プログラムを隠蔽してきた。日本が1941年に戦争を始めたのが将来にわたるエネルギー確保が目的だったのに、結局は原爆を投下された世界で唯一の国になってしまったことは皮肉としか言いようがない。
エネルギー問題はずっと日本のアキレス腱だった。アメリカによる原油の対日輸出禁止によって生じた日本の原油不足が真珠湾攻撃に繋がった。そして、その後、この原油不足はこの戦争での敗北にいたるまでたびたび日本を悩ませた。しかし日本を屈辱的な敗北に陥れたもの、それは他でもない原子の分裂、核爆弾だった。その日本が、その同じ原子を、今度は自分の目的のために利用しようとした。その目的とは、次の世紀まで持続する安定したエネルギー源の確保であり、さらに重要なのは、国土を二度と屈辱的な敗北に晒さないことだった。

コメント
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