今年も赤い桜が咲いたよ
撮影は1月29日。高峰のS老のところに行ってきました。S老からほぼ半年前にあずかったある原稿の件で、相談に行きました。五か月、忙しさにかまけてもいたのですが、原稿の内容を見てちょっと悶々としていた私です。今日の話で少し光が見えてきました。
平地ではワンワン(菓子屋さんだったのが巨大メディア王になった)だとか、TPPだとか騒いでいる間に、正名後の山でも静かに変化が起きている。変化と呼べるほどの詳細は分からないけれど、正名の盛り上がりが過ぎ、”粟の経済”と”金の経済”論議で山の社会主義を謳う人々の勢いもなんとなく潮が引き、自治運動が暗礁に乗り上げ、セエデク・バレのブームも過ぎた。残るのは静かに、粘り強く、浮き沈みしながらも淡々と前に進もうとする少数の赤い桜のような人たちなのかな。
梅も咲いたし、ピンクの桜も咲いた。赤いのは、数は多くはない。赤い桜が一面に咲いて、花の海になっているなんている景色はない。むしろぽつんと咲いている。
山の人にとっては桜よりもハンノキの方がずっと大事だった。ハンノキは土地を育て、豊かにするのだそうだ。だから、開墾したらまっさきにハンノキを植えた。
S老の家は以前の大雨で家の真ん中に亀裂がはいって、30センチほどの段差ができた状態のまま、もう何年も暮らしている。家の後ろのコンクリの壁が崩れてきて、それが窓を圧迫して割れてしまった。寒いときは、その壊れた窓ガラスから風が入ってきて、小さな炭火で暖をとっても、寒い。炭は子供たちが持ってきてくれるんだ、とうれしそうに言う。(Awil Kazuo)

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