何か変だよG7報道
広島でG7が閉会。抗議のデモなどで逮捕者が2人出た。そのうち、一人の逮捕場面をBBCがビデオ付きで報じた(https://www.bbc.com/news/av/world-asia-65663384)。タイトルは『日本の機動隊、激しい乱闘の末、男を地面に組み伏せる』。映像を見る限り、なぜ機動隊員複数による「激しい乱闘」が一人の男性に向けられたのか、まったく分からない。見て取れるのは、複数で一人を乱暴に抑え込んでいく様子だけだ。『ふつうに行進していたデモ隊を機動隊らが徐々に取り囲み、突然、一方的に“フルボッコ”して男の身柄を確保しているようにも見える』(日刊ゲンダイ、https://www.nikkan-gendai.com/articles/view/life/323345)本当のところは分からない。
NHKは、この逮捕どころか、18日、19日に起きた七つの抗議デモ(数十人から三百人規模)についてもほとんど報道しなかった。被爆者が“戦争に抗議”している、という報道はあったが、例えば反対運動の理由の一つである現在進行中のウクライナ戦へのさらなる武器投入への反対運動と絡めてG7を扱うニュースはなかった。
NHKだけでなく、メジャーなTV局も報道していないようだ。大手メディアにとって、いや日本のマジョリティにとって、日本が“栄えある議長国”を務めて被爆地広島で行う“平和の会議”に反対や抗議する人たちなどいないのだ、という感じだった。仮にそんな連中がいたとしても、そういう連中は『パイプ爆弾のあの人』や、『手作り銃で安部晋三を撃ったあの人』の同類であり、頭のおかしな連中だ、という感じだ。しかし、中核派の意見であっても、被爆者の意見であっても、すべての意見表明は無視されるべきではないし、存在しないものとして扱っちゃだめだ。
去年、ドイツでのG7のとき、ミュンヘンだけで少なくとも4,000人規模の抗議デモがあった。無論、ドイツ警察は厳戒態勢で、かなり暴力的にデモ隊に対峙した。ドイツ・メディアはこれを“普通に”報道した。G7と称する“軍事大国、環境汚染大国、ぼったくり資本主義クラブ”(これは阿川語)の手前味噌集会には今までずっと批判的意見を持つ人々が抗議してきた。抗議がなかったG7はない。
NHKによると、日本は国際社会の一員で、主要国で、民主主義国なのだそうだ。原発事故の不始末と不正、オリンピックの不始末と不正、安倍政権の不始末と不正、辺野古新基地建設の不始末と不正…。何一つとして民主的な手続きを踏むどころか、その模索もできずにスルーしていく社会をどんな根拠をもって「民主主義」社会と呼ぶのだろうか。(阿川記)
【付録】NHK語辞典:①G7に集まる国は「主要国」。②G7は「国際社会」。③G7は「民主主義国」(対するロシア、中国、グローバル・サウス、アフリカ等々は非民主主義国、さらに「権威主義国」と暗に決めつける)。

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