広島平和式典に理念はあるのか

 明日、広島で平和祈念式典が開かれる。被曝79周年。イスラエルを招待するかどうかを巡って、長崎と広島で真逆の決定がされている。広島はイスラエルを招待し、長崎はイスラエルを招待せず。長崎では台湾人も被曝していることもあってか公式か、非公式かは確認できないけれど記念式典に台湾も参加してきたし、パレスチナも参加するが、広島は「国家だけを招待」にこだわる。しかし、ロシアとベラルーシは対象外とした。

広島の松井市長によるとその理由は、記念式典の会場でウクライナと言い争いになったり、宣伝合戦になったりして混乱する可能性があるからだそうだ。イスラエルについては(パレスチナという国家ではないものを招待しないので)問題となる可能性はないのだそうだ。

イランは?ヨルダンは?という疑問が湧いてくるが、市長の説明は不明。イスラエルを招待することで、イスラエル側の宣伝に加担する(イスラエルは被害者だ)ことに問題はないのか、についても市長は何も言わない。424日の松井市長記者会見で、ひと悶着あった。以下、該当部分の書き起こし。

 

2024424日広島市長記者会見

https://www.youtube.com/watch?v=Uhhrx8A5wu4&t=2sYOUTUBE

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下線は、声が激高した部分。打消し線は、その部分に相手の発言がかぶっている部分。)

 

小山:すいません、フリーランスの小山です。何点かお伺いさせてください。えーと、ロシアとベラルーシュを式典に招待しない理由として、その、円滑な式典の運営に支障が出るのではないかというふうな理由を述べていただいたんですけれども、イスラエルを招待することでそういったことは起きないというふうに判断されたのでしょうか。

松井市長:えー、少なくとも核兵器を巡って、イスラエルと、ガザ…ガザ地区の方は招待、対象国家ではありませんからね…ここに来て論争するような可能性は、当事者としてはないと思うんですね。はい。

小山:えーと、イスラエルを招待することについてお伺いしてるんですけれども。

市長:イスラエルを招待して、ベラルーシ、ロシアを招待するといったことと同じようなことが起こることは思いませんからと申し上げたつもりです。

小山:わかりました。それで、ロシアとベラルーシの招待を見送るときについては外務省と協議をしたというふうにお伺いしてるんですけれども

市長:を聞いたと、先ほども申しました。(下線部、声が激高)話を聞いて判断したと

小山:あ、話を聞いた・・・今回のイスラエルについては広島市独自の判断ということでよろしいでしょうか。

市長:もともとの判断を・・(間をあけて)・・尊重してやっているということです。(下線部、声が激高)

小山:わかりました。それで、えーと、さきほどですね、その、片方の紛争がよくて、片方はよくないとは一言もおっしゃってないというふうに市長おっしゃって、私もそうだとは思うんですけれども、ただ、あの、やはりダブルスタンダードに見えてしまうというのは事実としてあると思うんですね。

市長:ありません。

小山:ただ、やっぱり、あの、抗議を

市長:ダブルスタンダードはとっていません。あなたの解釈です。

小山:ただ、やっぱり、あの、広島市が

市長:「ただやっぱり」ではありません。ダブルスタンダードはとっていないと申し上げているんですから。

小山:そういうふうに見られる可能性があるということについては

市長:見られても式典をちゃんとやりたいという立場で、どう見ていただきたいかということをやっているわけではありません。都市です。平和都市です。国家でもありません。マスコミに戦争についてコメントしているわけでもありません。やってほしくないと申し上げています。(間)勝手に想像しないでください。

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世界平和、そして何より核兵器の廃絶という目標に向かう目的の平和式典。そういう謳い文句の式典。日本政府は廃絶どころか核兵器に(核兵器を持つ米国に)しがみついて離さない。かつてオバマ大統領が「核による先制攻撃をしない」方針を打ち出そうとしたときに、必死になって引き留めようとした安倍晋三だけではない。現政権もまた核の抑止力を掲げてしがみついている。「唯一の被爆国として核の廃絶を求めていく」と口では言いながら、真逆の行為。かつての広島市長は、そうした国の姿勢を批判する立ち位置だったではないか。批判するとしても、被爆者へのリップサービスにすぎず、内実はないということなのか。戦争中の国や地域にこそ、広島から平和を訴えるのではなかったのか。今の記念式典に、意味(理念)はあるのか。(村山さたね)

 

 

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