学者、大学を自由にさせておくわけにはいかない…

   「貴学で反ユダヤ主義デモを先導、参加した学生のリストを提出しなさい(トランプ政権)」「学生の個人情報は出せません。デモは表現の自由の範囲内であり、かつ、反ユダヤ主義とは異なるものです(大学側)」「提出を拒否するなら、連邦政府の補助金を見直しますよ。留学生や海外研究者のビザも発給停止しますよ(トランプ政権)」

 こういうやりとりの結果、ハーバード大が政権の報復措置でビザ停止に、コロンビア大もそろそろ危ない。全米で合わせて60校ほどが、政権から恫喝を受けている。ハーバード大は政権を提訴した。ほとんどの大学はことの成り行きを見ている。下手に動くと狙われる。でも、後になって抵抗しなかったと言われたくもない。トランプ側も成り行きを見ている。どこまで行けるか、どこまでやったら破裂するか見極めて、その手前で「いやあ、私は考え方、柔軟ですから…」と例の逃げを打つつもりなのだろう。

 日本の学術会議法案と、このトランプ政権がやっていることは同じこと。この人たちはどこで、どう、繋がっているんだろう。2021年、ハンガリーのオルバン政権は公立大学を民営化と称して実質的に政権が運営を牛耳った。2016年から、ヒンドゥーナショナリズムに批判的だったジャワハルラール・ネルー大学に対して、モディ政権は恫喝を続け、資金カットなどを通して同校を管理下に置こうとするも抵抗され、2020年にヒンドゥー右翼勢力が(警察に誘導されて)同校に殴り込み、学生と教師39人が負傷する事態に至った。トルコのエルドガン政権は2016年から、自身に批判的な学者、教師たちの大量解雇、大量逮捕を開始。中国の習政権による、香港の大学への締め付け、などなど、権威主義からの攻撃はもう世界的な潮流とさえ言える。

 台湾の頼政権も、中国の「浸透」を排除するためと称して、いくつか危ない動きをしている。このまま進めば、権威主義先進国の仲間入りか。踏みとどまれるのか。(村山さたね)

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