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| Betty Capaway Listino (Right) |
『武力と十字架を掲げたスペインの300年の支配にも最後まで抵抗したイゴロットのコミュニティへのドアを、アメリカ合衆国は「自己中心的な善意」と「物資」によってこじ開けたんです。そして「教育」によって私たちの心を飼いならしていった。でもスペインもアメリカも、そして日本も動機は同じ―ベンゲットの豊富な資源です。』フィリピンの先住民、イゴロットの自立のためにNGOを立ち上げた若きイバロイ・イゴロット、ベティ・キャパウェイ・リスティノさんは言う。
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| Betty (Center) and her comrades |
7月17日、雨模様のラ・トリニダドで、去年、第一回アジア太平洋合同慰霊祭を主催したResearchMateというNGOの事務所を訪ねてベティさんほか若いイゴロットの人達に出会った。バギオを拠点に活動している映画監督、今泉光司さんの紹介だ。『土地は命です。土地と祖先、それがなかったら私たちは何ものでもなくなってしまう。』アメリカ合衆国支配下に急速にキリスト教化していくと同時に、部落が解体し、フィリピンの平地の行政組織であるバランガイに組み込まれていったイゴロットの人達。バランガイ・キャプテンになったり、役職を与えられるとなぜかカウボーイ・ハットに皮のチョッキ、ピカピカのカウボーイ・ブーツにいそいそと身を包むイゴロットの男達には、フィリピンのほかの地域の人々とは違ったアメリカ合衆国との関係を誇示する雰囲気さえある。
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| Men in power with cowboy-hats and boots |
ベティさんたちは、フィリピン戦最後の戦地となったレパントの戦いにおけるイゴロット部隊、第66歩兵部隊のおじいさんたちに話を聞いてドキュメンタリーを作成している。『彼らはアメリカ合衆国軍のために戦ったのではない。彼らは自分たちの土地を取り戻すために戦ったんです。』とは言うものの、ドキュメンタリーに登場するヴェテランたちはUSAIP NL(在フィリピンアメリカ合衆国陸軍北ルソン)のロゴの入ったヴェテランの帽子を誇らしげにかぶって登場し、流暢な英語で当時を語る。ここにもイゴロットが置かれる複雑な自己イメージのあり様が見える。
語られてこなかった歴史を語ること。それを通して、過去には蔑称であった「イゴロット」を自ら名乗り、引き受けていこうとする若者たち。彼らの多くには定職がない。職そのものがない。そんなもの、長続きしないさ、大部分の先住民は平地化を望んでいるでしょ・・・評価はさまざまだろうが、彼らの運動は歴史の発掘とその教育という点では確かに地に足がついていると感じた。(Awil Kazuo:詳しい報告はニューズレターNo.7にて)
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