大楸里のお盆休み

 9月10日、平澤のキャンプ・ハンフリー(K-6)から、 大楸里へ向かった。キャンプ・ハンフリーの拡大にともなって村ごと強制移住させられたのは数年前のことになる。3月にEaphetでも上映したドキュメンタリー、「和平里的回憶:Memories of Daechuri」にもその経緯が少し伝えられている。大楸里は基地建設中で、一般車両の通行を止められている(左の標識)。
 工事車両が通るらしい道をあえて進んでいくと、工事現場への入り口に着いた(右の写真が入り口らしい)。うろうろしていたら警備員がキャンプ・ハンフリーと隣接する警備小屋から出てきて何をしているか、と誰何。警備員は好人物と判明。基地や工事のことをいろいろ質問すると、こんなにしゃべっちゃっていいのか、とこっちが心配するぐらい内情を話してくれた。

  とにかく明日がお盆なので、工事もストップしているが、どこかから土を運んできて、その土を敷き詰める作業が行われているのだそうだ。大量の土が必要になる。ここに到着するまでの道筋には「土砂等運搬トラックの騒音を何とかしてくれ!過積載せずに法律を守れ!」的な横断幕が住民の手によって張られていた。基地が完成したら、次は別の騒音に悩まされることになるのだろう。

 人気のないかつての大楸里(左の写真)に立っていると、一体誰がこんなものを必要として、一つの農村をこれからジェット燃料に汚染されて数十年作物が生えず人の住まない場所に作り変えようとしているのか、考え込んでしまう。それはもはや”國の力”とだけは言えないのだろう。もちろん、米軍再編は米国の都合だが、南コリア政府の都合でもある・・・。ソウルの街に林立するビル群、休むことのない開発工事・・・それらを”必要としている”人々と、この基地を”必要としている”人々とは繋がっているのだろう。過積載のトラックの運転手ともどこかで繋がっているのだろう。

 基地村のクラブとホテル群(左の写真)を歩いていると、隣接する一般住民地区との違いがまず気になる。隣接区域は決して豊かではないそうだ。”基地村”は観光特区に指定され、さらにその一部は遊興特区というラベルが貼られている。観光特区では一般にセックス産業が”公認”されているが、遊興特区はその中でも特にセックスワーカーを抱える地域のようだ。

 以前は南コリアの貧しい女性が働いていた。それがロシアやタイの女性に変わり、今はフィリピン女性が多いという。彼女たちにE6ビザ(日本で言えば興業ビザ)を出しているのは南コリア政府で、もちろんそれがセックス産業ビザであることを知らない人はいない。騙し、パスポートの取り上げ、クラブへの借金、堕胎・・・問題はたくさん出てくるのに、フィリピンから女性たちはき続ける。遊興特区のクラブの中には「外国人のみ。南コリア人の立ち入り禁止」を表示する店も少なくない。

 戦争は商売だ。平時にもそれは商売になる。私たちは”しょうがないね、戦争になったら大変だから、それなりの準備はしておかなくちゃ”と不安を言い訳にして、戦争商売を是認する。何も言わない。何も言えない。戦争商売はセックス産業と連動している。貧しい女性たちなんだろうから、金になるだけよかったよね?? 

 でも、米軍再編は、南コリアで「米軍が北の脅威から私たちを守ってくれている」という感覚を薄めつつある。北から守ってくれるんなら、なぜ38度線から後退するのか。別の思惑があるんじゃないのか。・・・でも商売になるんなら、ま、いいか?? 大楸里を追われた人達はどこでどうしているんだろう。(Awil Kazuo -謝謝to一兵)

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