楽観できない台湾原発開発

2月17日、行政院院長(首相)は貢寮に建設中の台湾初の日の丸原発「第四原子力発電所(核四)」に563億元の追加予算を組んだことを発表した。これで核四の総経費は3300億元に跳ね上がり、台湾新幹線の4600億元に迫りつつあるが、この調子で追加予算を承認していけば最後に一体いくらになるのか(結果として使用可能なものができあがるのかどうかも疑問視されているのに)分からない。
 行政院長は39ヶ月の工事延長のための追加予算と説明しているが、自由時報は当初この追加予算を「借金の利子」と報道した。これまでの3つの原発同様、建設費用は主にアメリカ合衆国の輸出入銀行からの借り入れでまかなっているが、原発が完成して稼動して電力収入が得られるまで、この借金の利子は国庫(税金)から支払われる。今までの工事の遅れ、今後の(39ヶ月と今は言っているが、その根拠は明確ではない)遅れ、そこに必要になる利子は、今回のように国家予算から捻出される。
 去年の福島第一原発事故後に、世界の同様に危険な原発14箇所のうち、四つが台湾にあると指摘されてきた。建設中の核四の耐震性は福島に劣るとも言われた。追加予算の理由として、福島事故を教訓として安全対策工事をするためという説明もあるようだが、その詳細が発表されておらず公共の場での議論には供されていない。
 馬英九総統は1月の選挙で再選されたが、選挙運動の中では原子力への依存は徐々に縮小すると約束してきた。再選後、すぐにこの追加予算では、公約が空疎なものだったという印象を免れない。
Eaphetでは去年の8月、貢寮自救会を訪問してお話を聞いたが、選挙後の追加予算と工事延長の状況を聞くために近日中に再度の訪問を企画している。日程が立ち次第、ご案内します。
 関連したニュースで、2月20日、蘭嶼で第四回目の「220駆逐悪霊」デモが行われた。台東に新たな建設がほぼ決定している原発廃棄物処理場ができたら蘭嶼の貯蔵物はそちらに移動するという話(噂)もあったが、台電は蘭嶼への貯蔵(投棄)を延長すると発表。こちらもどこで終わりになるのか、まったく見えなくなった。
 問題はおそらく簡単。台電も馬政府も巨額の借金をして核四完成に固執せざるを得ない状況を自ら作り出してしまった。危険です、ゴミの捨て場がありません―そんなことを今さら認めるわけにいかない。ちょっと工期を延長しますがそれは安全対策のためです、ちょっと危険なゴミの貯蔵期間を延長しますがそれも目処が立つまでです、安心してください・・・その場しのぎのたわごとを並べている。蘭嶼ではすでにゴミからの放射能漏れが検出されている。貢寮では作った装置が思うように作動していない。
 1月の選挙結果は、投票者たちがたわごとを並べる政府と企業に「没問題、たわごとを続けてOKよ」というお墨付きを与えたと解釈されているのだろうか。それはとんでもない誤解(曲解)だ、と皆で声を出さないと、このままでは貢寮と蘭嶼だけでなく小さな台湾島が全部底なし泥沼にひきずりこまれてしまう。(阿川)蘭嶼核廢關係民族存亡 核四預算再追加563億 直逼台灣高鐵

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