緊急聊聊:台湾の原発

過去二週間の聊聊は、福島原発事故に触発されて「緊急聊聊:台湾の原発」という話題で、それぞれの人が疑問や資料を持ち寄りました。台湾のテレビではTBSテレビがYoutubeでの生放送を終了してからはもっぱらNHK(と部分的にCNN)のニュースに頼ってしか原発事故の展開を追うことしかできませんでした。もちろん台湾のそのほかのチャンネルでも時折原発ニュースは流れるものの、台湾原発の抱える諸問題について突っ込んで報道する番組には出会っていません。テレビだけで情報を頼っている人々にとって福島の状況だけでなく台湾の原発の現状についても、おそらくまったく見えていないのではないかと危惧します。
 福島:日本のテレビが(特にNHK)流す原発報道は「危機的な状態は過ぎた」「放射能漏れはあるが人体にただちに影響はない」と言いますが、これは根拠がある情報ではなく、大丈夫だよ、という情緒的な呼びかけのようです。作業員や自衛隊員の被爆許容量を1.5倍に引き上げたことにも科学的な根拠の説明はなく、あたかも最初の許容量基準値が「低すぎた」がごとき説明しかない。解説に登場する「専門家」たちは原子力推進派(東電から研究費、講座費をもらっているような人たちも含め)ばかりのようです。予言されていた原発震災(広瀬隆インタビュー実際に多くの人々が重大な被爆をしていることを報道していません。また、事故の原因を含めて、今までの原発管理のずさんさを指摘するさまざまな証言が出てきているにも関わらず、NHKは決して報道しません。調査報告/原子力発電所における秘密 2003.6.8 El Mundo 原発がどんなものか知ってほしい 平井憲夫 危機続く福島第一原発 「GEスリー」元設計者が米メディアで告白 「原子炉構造に欠陥あり」2011/3/29
 台湾:馬総統は、台湾の原発は絶対安全、核四は死守する、といっています。無論、台湾内に反対派は少なくありませんが、政府は「安全」と言うだけで何の根拠も示すことができていない。核四は予算凍結、凍結解除、工事中止、また再開で遅延賠償金をGE社に支払い、去年は制御室焼失事故を起こし、と紆余曲折を経て、現在まで総額3000億元ほどの大きな無駄遣いとなっています。最新だから安全? 問題はGE社のMark I という原子炉格納器(ここに福島の欠陥の原因がある、といわれています)にだけあるわけではない。国民党全盛時代にアメリカ合衆国エネルギー企業との癒着、賄賂と手抜き工事によって建設されてきた第一~第三原発が”不測の事態”が起きたときに(そしてそういう事態は起きることが証明されている)対処できるわけがない。少なくとも、絶対安全だと言えるはずがない。そういう不安の声がもっと出てきてもおかしくないのに、台湾世論は奇妙に静かです。
 広瀬隆さんの言葉を借りるなら「正しいパニックを起こすべきとき」だというのが、緊急聊聊のとりあえずの結論でした。(Awil Kazuo 台湾原発の歴史についてはEaphet Newsletter 6号7号をご参照ください)
 

コメント

匿名 さんのコメント…
私たちの生活そのものが私たちが理解して改良していけるものではなくなっている、ということでしょうか。電気はどこから来るのか、どのようにして(これは歴史でしょうか)作られ届けられ、どの部分に対して金を払っているのか、その金が何に使われるのか・・・特に電気のように独占供給されていて、消費者に対する情報開示する必要がないもの、そういうものに依存させられていることが何よりも怖いですね。