江汀村平和キャンプ:台湾につきつけられる難問

台湾チーム
8月3日から6日の日程で、江汀村で「平和の島連帯、平和キャンプ」という催しものがあって、台湾からEaphetのメンバー二人(阿川と林欣怡)と、蔡焜霖さんが参加。Emily Wangさんと彼女の妹さんを入れれば、台湾から5人の参加があった勘定になります。沖縄から10人ほど来ました。あとは、オーストラリア、ニュージーランド、などの人も5,6人いて、南韓からの参加も合わせると総勢45人ほどの参加者が集まりました。中学生、高校生も数人いました。

四・三記念公園内の展示から
 初日に四・三記念公園を見ることからキャンプはスタート。ここは済州島四・三事件の記録と解説がある展示場と、犠牲者の墓地からできています。

 翌日からは午前中にプレゼンテーションがあり、昼は海軍基地建設現場での抗議活動があり、午後は遊びと交流と環境認識をかねた活動、夜は文化活動と、盛りだくさんな内容。

四・三記念公園内の犠牲者の墓(分かっている分だけ)
 プレゼンテーションでは、沖縄、ハワイ、台湾、チェジュの歴史、環境汚染問題、軍事化などについて発表がありました。ちょうど、与那国島では自衛隊のレーダー基地建設が始まったところ。辺野古でも建設準備作業が開始されたところ。島の軍事化が、国防の名の下に強引に進められている最中だということもあって、参加者の意識は高かった。




 発表と討論は、朝鮮語、日本語、英語が使われたため、それぞれに通訳が奮闘した。心配していたような問題はおこらず、比較的スムーズに進んだのは、江汀村で今まで培ってきた国際連帯活動の成果なのだろう。

工事が進む埠頭
 海軍基地建設はかなり進んでいたが、先日の台風で埠頭のもっとも先のケソン(コンクリの巨大な塊)が傾き、破損している様子が見えた。人は許しても自然が基地を許さないだろう、と言う人もいる。しかし、ここまで進んだ工事が止まることはまずない。同様に、ここまで粘って来た反対運動がこのまま何事もなかったかのように収束することも、まずない。基地が出来たとしても、それを観光港や公園化する道もまだ塞がったわけではない。米軍との密約問題、国際的にも保護すべしと決められたグロンビ岩の強制爆破問題など、今後、真相を明らかにしていかねばならない問題もある。江汀村での運動が、今後の沖縄やグアムなどでの運動にも大きく影響する。
海上活動中の林欣怡さん(手前)

建設現場入り口で話す糸数さん
 




途中、糸数慶子さんも応援に駆け付けた。辺野古にいたと思ったら江汀に、忙しい人だ。11月の沖縄知事選などについて参加者と話す。





 


沖縄ダンスを学ぶ



共同声明を中文で読み上げる台湾チーム


海上での抗議活動

阿川(左)と姜ミギョンさん(右)
 済州島、沖縄、台湾、三島での平和の島連帯構想は、まだ粗削りの段階だ。私は台湾からの参加なので、台湾という島が、どのような意味で「南韓に対する済州島」や「日本に対する沖縄」と共通項を持つかについてすっきりとした考えに至っていない。大局的に見れば「大陸に対する台湾島」、あるいは「アメリカ合衆国に対する台湾島」という見方もあるのかもしれないとは思う。しかし、台湾は、蘭嶼や澎湖、金門などから見て、国防を振りかざす台湾(中華民国)でもある。今、この段階で、軍事化に抵抗する島の連帯を言うのであれば、むしろ蘭嶼や澎湖、金門なのではないかとも思う。実際のところ、台湾の人々に「軍事化への危機意識」はない。

 私(阿川)は、このキャンプで「国民党の軍事主義とアメリカ合衆国の軍事主義」というお題を与えられて、話した。時間がなくて(時間配分の悪さは私の得意)、最後まで話せなかった。現在の中華民国政府が大陸との経済合作を優先する結果、軍事的にはアメリカ合衆国と微妙な関係になっていること、アメリカ合衆国自身も中国との関係悪化の際には台湾を必要とするが、台湾を必要としているジェスチャーを示してしまうことによって中国との関係悪化は招きたくない、という綱渡りのような状況にあること、したがって、あからさまな軍事行動がとれない状態に両国ともが追い込まれているけれど、一度動き出したらどうなるか分からないこと、などについて話す時間はなかった。
 台湾の「台湾意識」がひまわり運動などを通して再び浮上し、市民権をもっていくことは大陸との対立を鮮明化することになる。それが軍事的対立へとつながったときには、アメリカ合衆国や日本の軍隊との緊密な合作が無条件に必要となる事態が予想される。その先にあるのは、江汀村や沖縄が抵抗しようとしている軍事化を進んで受け入れ、拡大していく台湾なのかもしれないのだ。

 三島の平和連帯という話は、台湾にとっては「軍事化やぶったくり資本化以外の自立方法を模索せよ」という困難な要求なのだ。しかし、それにこたえる以外、答えようと努力する以外に、台湾の進む道がないこともまた確かなように思われる。頭を抱えながらキャンプから戻った阿川だった。(阿川)







 

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