総選挙後の米台武器取引

2016年大統領選挙の結果は大方の予測通り、過去8年間野党だった民進党が再び与党になった。それだけでなく、これまで国民党及びその党員が国会の優勢を持っていたのが、今回は民進党が国会の主導権を持つようになった。この結果、戒厳令が解除されてから初めて非国民党が完全に与党になったため、アメリカと台湾との軍備販売も新しい展開が予想される。

ここ数年の情勢をみれば、西太平洋の二大強権であると位置づけられるアメリカと中国は、お互いの協力を重んじるというよりも対抗関係にある。特に中国の新しいリーダーである習近平が語る「中国ドリーム」、「一帯一路」といった策略は、アメリカの最も重要な資源である、東アジアから世界に至る海上航路に影響する。中国がいざこの政策を推進し続けようとすると、アメリカとの東アジア地中海区域での対抗状況は現状と変わらないだろう。この状況下、台湾はこの海域の中心位置にあるため、東アジアにおけるアメリカと中国の対立の主な舞台となるに違いない。それに加えて、アメリカは最新兵器を台湾に販売する唯一の強権であるため、アメリカと台湾との兵器取引も東アジアの海運を中心に展開するだろう。
 
2016年総統選挙後、各メディアによると、アメリカは海軍陸戦隊が使用しているAV-8B垂直離着陸攻撃機を台湾に販売するという。その理由は以下の三つである。
1.アメリカ海軍陸戦隊は旧式になったAV-8Bを今後F-35Cに交換する予定であり、いっぽう、中国の圧力に直面する台湾は、守備に不安を抱えている。中国から第一段階のミサイル攻撃があったとき、空港の滑走路が破壊されて使えなくなることを考慮すれば、台湾は空軍力を維持するために垂直離着陸機(STOL)が必要になってくる。
2.台湾はF-35を入手できる日程が今のところ明確になってないので、国産の戦闘機(ADF)研究開発生産計画を開始する可能性がある。計画に上っているのは、F-35を取得するまでの空中戦力の空白を補うための垂直離着陸機(STOL)である。F-16IDFの組み合わせのように、今後ADFF-35とともに空中戦力になる。この機会にアメリカの垂直離着陸機(STOL)の設計を学び、新しい国産戦闘機ADFを製造する。
3.台湾周辺とほかの国の領土争議に応じるため、台湾空軍は長距離作戦能力を一応持ってはいる。とはいえ、南シナ海周辺では各国の勢力が錯綜しており、この海域で主権を主張するのは七ヵ国もある。台湾は南シナ海にある東沙諸島の東沙環礁と南沙諸島の太平島という二つの島の主権を持っていると主張しており、これらの島に軍隊を駐在させ、滑走路を改築している。この二つの島と台湾本島の距離(東沙諸島は台湾から約440キロ、太平島が約1600キロ)を考えると、これらが他国から攻撃を受けた場合、台湾空軍の戦闘機は、燃料積載量の問題で、両島の上空で長時間の作戦ができない。そこで、台湾は平時補給や戦時中飛行機を駐留させることを考慮し、これらの島に滑走路を建築すると決めたのである。また、一万トン以上の全甲板強襲揚陸艦2艘を製造する計画もある。強襲揚陸艦は海陸突撃、船を上陸させ、海陸運輸、災害救護などの機能を持つほかに、甲板AH-64 アパッチのような戦闘ヘリコプターやAV-8Bを搭載し、長距離作戦することができる。

 また、台湾軍事に対して長期間注目する人々にとっても周知のように、台湾の水中戦闘力は大変不足な状態にある。台湾のような島の経済構造では、貿易を維持するために海運に高度依存をしている。戦時には、台湾は相手の潜水艦によって海上封鎖されると逃げ場がなくなる恐れがある。台湾の水上と空からの対潜戦力はある程度のレベルに達しているが、水中戦力が極めて不足している。現在台湾海軍は4艘の潜水艦しかもっていなく、そのうちの2艘は第二次世界大戦直後のものである。本来ならば台湾は10年前に新しい潜水艦を手に入れる機会があったはずだが、当時ある与党の専門家と呼ばれるものの、実際はなにも知らない立法委員に阻まれたため、台湾の水中戦力はほかの戦力と比べると明らかに不均衡な状態になった。
 新政府は執権した後、アメリカを通して潜水艦を取得するだろう。新政府は自力による国防の姿勢を堅持し、アメリカを通して第三国の潜水艦設計図を入手すると考えられる(台湾政府はこの二年の間に潜水艦を国産することを計画している)。アメリカは半世紀近くに渡って通常動力型の潜水艦を生産していないため、台湾は第三国の力を借りて潜水艦設計や技術を取得するしかないだろう。台湾の軍事関係者はすでにヨーロッパの各船工場を見学しているようだが、台湾はアメリカを通して日本の潜水艦生産技術を取得し、自分の力で潜水艦を生産する可能性があるのではないか。ここ数年、日本は軍事技術を海外に輸出する制限を緩めた結果、それを試験的に台湾に輸出する可能性が高くなっている。(頼台庫/翻訳:黃雅芬


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